イングランドの議会に基づく統治(2) (5/92)

 同じように重要なことは、議会に登院してくる人々は、自分たち自身のちっぽけな利益のために登院してくるのではない。自分たちの国の代表として登院してくるのである。幸いなことにエドワード1世の議会を構成していた人々は、このことを長い間の恣意的権力との闘争を通して学んでいた。そして、彼らは真に国民的な王の会議に与るために召集されたとき、そのことを忘れなかったであろう。だからこそ、一見国家権力を分裂させるように見え、ある人々の目には統治を弱体化させるように映ったであろうステップ1)も、実際には統治の力を増大させることに役立つ一方だったのである。エドワードが彼の父よりもはるかに強力な君主だったのは、彼の並外れた才能によるというよりも、むしろ、彼が権力の基盤をより広い土台の上に置いていたからなのである。

1) ステップ:つまり、エドワード1世が、国のすべての階層の代表を一堂に会させて(つまり、議会を構成して)、そこで立法を行わせたり、あるいは、そこのアドバイスを聞いて統治を行うという統治方式をとるようにしたこと。

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